古民家の不自由なところ
立派な古民家を所有していても「壊して新築にしてしまいたい」という気持ちは分からないではない。
「暗い」「雨漏りがする」「冬寒い」「段差がつらい」「キッチン、水廻りが古い」・・・
まず傷んだところを修繕しなければならないというのは新築しても同じことだ。
修理する箇所が多くなると費用もかさむので新築にした方がいいかと考えてしまう。
けれども新築するだけ費用を出せるのならば古民家を改造しようという選択肢も一度考えてもらいたい。
耐震評価し辛い
古民家でどうしようもなく不自由なのが耐震性だ。これまで地震に耐えてきたのだからそれ以降の劣化を補修しておれば耐震性はある筈だ。しかし「これで大丈夫だ」という法的な根拠にはならない。新築のような現在の家は簡易的に求める方法が認められているが、古民家のような伝統的な工法で建てられた建物はきっちりとした調査と計算が必要になる。
また足元もコンクリート基礎で固めなければならないのか、従来の石端建ての方が良いのではないかという問題がある。
「どちらが安全か」という問題と「どちらが安くできるか」という問題。
古民家の改修が増えてくればどこかの方向に収束するのではないかと期待するが、しばらくは続きそうである。