景観的な話


ランドマークといえる建物、シンボルといえる建物をつくること

「景観」というと規制的なものが多く、地元の人から歓迎されない向きもある。色を細かく指定したり、材料を指定したり・・・・
しかし、その規制は本当にその地域に即したものなのか?という疑問を感じることが私はよくある。
規制の基をつくるコンサルタントや学校もどこかの地域で使ったものをそのまま依頼された地域に置いたというような規制を見ることがある。色や材料さえ守れば景観は守れるのかというとそうではない。色と言っても重要なのは彩度であったり、それらよりも重要なのは屋根の向きや、軒先の高さや、壁面線の位置だったりする。
そして規制を設けることによって、おとなしいだけのまちになってしまうのも少しさびしいものがある。
規制も必要だが、本当は地域を印象づける建物をつくることも必要なのではないか。それも景観の抱える問題の一つではないかと考えている。

金持ちがお金を出していた時代から、庶民の税金でつくる時代に

今も残る古いまちなみができた時代、建物を所有することのできる人は特別であった。所有する人は地域を構成する一員として自己の建物はもちろん今でいう公共事業にも出資した。自分たちのまちに良い建物を建てようという意気込みがあった。

戦後、財閥や大地主の解体に始まり平等の時代がやってきた。民主主義と共に地方行政も変化が訪れる。まちは市民の税金でつくる時代がやってきた。
特に学校を見るとよく分かる。特徴ある校舎を建てていた時代から、平等に同じような(費用のかからない)建物を建てる時代に移っていった。
もし景観が地域の財産であるというなら個人の不動産にでも税金を入れて維持する仕組みを作る必要があると思っている。