蔵の記憶を受継ぐ

およそ150年前の土蔵を建替えることになった。
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昨年改修した母屋の脇でひっそりとたたずんでいた蔵だが、かなり傷んでいた。


蔵としての機能はまだ求められており、収納空間として利用したいとのことなのでできるだけ再生を考えたが、柱・梁の一部が朽ちており、その改修のためには壁を一旦落とさねばならずそこまでしたら建替えという流れにどうしてもなる。
同じような土蔵ができればいいのだが、土壁は工期が長引き、土蔵ともなると2年にはなりそうである。建替えにしてもコストは抑えたいので、本当に必要な大きさを考えると平屋で十分という検討結果になった。
ボリュームは変わってしまうがこの場所にあった風景を残したい。
一番目にしていたのは入口の形であろうと考えた。
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入口の庇、腕木、縁の左官、これらの意匠を残すことで記憶に受継がれていくことを期待している。
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