住まいと「陰陽」

from 村瀬春樹著『本気で家を建てるには』カツオブシ警報

 ほどよい温度を求めれば、ほどよい湿度が奪われる。あちらを立てれば、こちらが立たず。風邪薬を飲めば、胃が荒れて、胃薬飲めば、癖になる。
 日本の近代住宅というのは、近代西洋医学のジレンマとよく似ているな。

 そのほかにも今の時期暖房する→結露する。高断熱にする→気密性が高まる。シックハウス問題がおこる→建材の薬品を規制する。防虫効果が弱まる→キクイムシが発生する・・・・などきりがない。
 「具合の悪い部分」を取除くことでものごとを解決する方法では次々と具合の悪い部分が発生する。
 “陰”の部分をすべて“陽”にすることはできない。“陽”あるところには必ず“陰”ができる。ならば“陰”と“陽”が調和をとれた状態にすることをめざすのが解決の方向ではないだろうか。