住宅の設計をするとかなりの確率で家相の話が出てくる。施主に「家相は気にされますか」と聞くと「特に気にしない」と言う方が大半なのだが、設計を進めていくうちに「親が・・・・」「親戚が・・・・」といろんなところから「家相について忠告を受けた」ということで設計に影響がでることがよくある。
(参考:『みんなのいえ』(Amazon):この映画の中で息子夫婦の新築で家相について親が口をはさむシーンがあるのだが、こういうやりとりは実存する。映画では笑えるが現実では笑っている場合ではない。)
ならば、どうすればいいかということなのだが、面白いことにその内容が皆違うのである。例えば、鬼門にキッチンはOKとする人もいれば不可とする人もいる。もちろん、ちきんと家相を見るならば主(あるじ)の生年月日や家族構成によって恵方も変わるので何も不思議なことではない。
また鬼門を知るための重心の取り方や鬼門とする範囲など微妙に異なったりする。
こうなってくると「家相を重視して計画をしてください」と言われても、その手の本は多く読んでいるが家相について弟子入りして修業をしたわけではないので手に負えないのである。
いくつものそういった物件を経験して導いた結論。
「家相は宗教である」
宗教だから、いくら設計者が「この方向で大丈夫です」と言ってもダメ。依頼者の信じるセンセイの言う通りにしないと(心の中に)災いが生じるのである。
だからもし信じている家相見のセンセイがおられるなら、設計の初期に診てもらうようにお願いしている。
いない場合・・・・わざわざ探さなくても建築家を信じていれば大丈夫。
しかし、宗教であっても「それはオカシイゾ」と思うようなことがいくつかあるが、それはまた次回に。