『知的生産の技術』
第1刷が1969年となっているから、かなり古い本である。たまたま手に取って眺めると、充分現在に活用できる内容であった。
内容は主に著者梅棹忠夫氏の考案した「京大カード」を活用する方法について、いくつかのシチュエーションから述べられている。また、この本もカードを活用することによって書かれたという。
カードは分類することが重要なのではない。くりかえしくることがたいせつなのだ。
そのため、「カード1枚に1項目記入の原則を守らなければならい」ということだ。
私は京大カードを使ったことはない。否、カードを使おうとして断念したことはある。常にカードとペンを持ち歩くということが煩しかった。さまざまなノートや紙切れに記入したものは後になって活用することはほとんどない。それよりも「思いついたこと」を書留めておくという習慣がなかなかなかったのだ。
しかしこの本では「徹底的に文章にして、かいてしまう」ことが重要だという。人間の記憶はあやふやなものだから、書いてあとは忘れる。そのとき単語のみでメモするのではなく、徹底的に文章にして残すべきという。
カードは使えなかったが、この方式は今の“blog”や“Wiki”を利用する方法に当てはめることができる。blogなどどのように利用すべきか人それぞれであるが、私が使いだしたきっかけは「メモを残しておきたい」ということだ。カテゴリー分けやリンクを張ることによって過去の記事を見直したりすることも容易になっている。
常に持ち歩くという点ではケイタイから投稿するという技ももっている。(使えてないが)ケイタイなら、たいていの場合持ち歩いている。
そして、1つのエントリーに1項目であることや、文章で保存しているという点は京大カードに通じるものがある。
この本にはカードの利用を発展させた読書の方法や「日記」「文章」の書き方についても述べられている。この辺りもblogなどに応用できそうだ。