女の人生は長いのだから

『安倍官房長官、再チャレンジ支援政策への協力要請』
from 2006年7月31日(YOMIURI ONLINE)
 「再チャレンジ支援政策」・・・・再チャレンジというのが変な言葉です。再就職・再起業を支援するということらしいのですが、再起業だけでなく再就職・・・・リストラされた人だけでなく、出産・育児のため退社した女性の復帰も“再チャレンジ”というのが気持悪いです。まだ終身雇用を前提としているのでしょうか。
 夏休み時期になるとウチの設計事務所にも学生が研修にやって来ます。女性が多いのですが、進路希望を聞くと進学を考えている人が多いです。短大・高専生は専門学校や大学編入、大学生は大学院など。
 やりたい研究テーマがあるのかと言えばそうでもないらしい。現状で就職が難しそうだからということのようです。再チャレンジではなく、初回から支援が必要のようです。
 ウチに実習に来るぐらいだから建築を、設計をやりたいのだとは思います。だったら社会に出るのを先延しにすることは不利だと思うのです。
 女性の場合・・・・女性を軽視するわけではありません・・・・人生の内で出産・育児というイベントが入ってきます。そこで仕事は打切りと考えるのではなく、そういうことはさっさと済ませてそれから建築にとりかかった方がイイと思うのです。
 例えば住宅の設計では「子育てを経験しました」「家事をやっています」と言ったほうが依頼する方も安心感を得られます。実際にそういう経験の中で見えてくることはたくさんあります。
 どうせ、設計業務の20歳代〜30歳代前半なんてたいしたことやってません。それに建築家なんて40歳、50歳代でも新人です。
 若い時期に仕事を覚えるよりも、歳を経てから新しいことに対応できるかどうかが重要であると思います。
 一般の企業にしても、大学卒で30歳くらいまでとして仕事を任すより、30歳代で子育てに手がかからなくなった女性を戦力として雇う方が得策だと思うのですが。
 結局、まだ学校卒業してすぐに就職、終身雇用、女性は結婚までで専業主婦という意識が根づいているからなのでしょうか。
 学生の方も産休・育児休暇ありの企業を狙うとなると高学歴化するのは現状では仕方のないことなのかもしれません。