2008年と2009年の設計の違い

今年6月20日の建築基準法改正により非常に面倒になった確認申請。しかしまだ木造2階建規模の住宅(4号建築物)では、特例により建築士の設計によるものには構造図等の図面の添付の省略が認められているが、2008年12月までにその特例が廃止されることが決まっている。(建築士の信用がなくなったから?)

【新たに提出の必要な図面】

・床面積求積図
・2面以上の立面図
・2面以上の断面図
・地盤面算出表
・基礎伏図
・各階床伏図
・2面以上の軸組図
・構造詳細図
・使用構造材料一覧表
・基礎・地盤説明書
・(杭工事)施工方法等計画書
・壁量計算書
・接合金物図面

日本住宅・木材技術センター 「改正建築基準法コーナー」『木造軸組工法住宅の改正建築基準法における建築確認申請対応の解説』より
まぁいろいろ面倒が増えているのだが、例えば“伏図”
現在、設計図として実際に書いているのは木造2階建着工数の何割あるだろう?(ウチは書いているけれど)
施工図(プレカット図)を以て伏図としている物件がかなりの割合を占めている気がする。
この状態をそのまま特例廃止後も続けようとすると、確認申請を提出する前から施工者にプレカット図を要求しているということになる。確認通知が降りなければ融資の実行がされない場合が多いのに。
また設計図として伏図を書いた場合でも、施工者が決まってなければプレカット工場もどこになるか分からない。工場ごとに得手、不得手があるが、設計で低いレベルに合わせるわけにはいかないので高目の要求をする。これまでは提出されたプレカット図と設計図で折合いをもとめていたが、以降は設計図との不整合が生じた場合は計画変更申請を行わなければならない?
そのようなことが伏図以外でも多く発生しそうだ。強いのは自社で工場を持つハウスメーカーか工務店の設計施工か。
ただ歓迎すべき面もある。例えば“壁量計算”
施行令や告示で簡易計算するだけではあまりよくないような箇所に耐力壁を設けても有効として扱われる。(吹抜け・オーバーハング・1階大部屋・・・・等悩む問題が多い)また現状の解説本はそのようなよくないような例は載せず、ごく単純な形状だけを解説し、実際に遭遇する諸問題に対して解説されていない。若しくは解説書によって回答が異っている。
今後は審査機関がこれらについても審査するとなると、統一した見解が発表されることを期待する。
本来は簡易計算ではなく許容応力度計算をすべきなのかもしれないが、許容応力度計算をすると適判行きになって15万円以上を申請費に上乗せしなければならないので、たぶんしない。
簡易計算法の今後に期待。