アメリカ広葉樹アーキテクトセミナー受講録のつづき。
竹原義二氏の話
(『101番目の家』を題材にした話。)
- 最近の住宅事情では広葉樹の使われ方が変わってきている。(針葉樹も)
- アメリカ人と(現在の)日本人の木に対する感覚のズレがある。
アメリカ→内装材として→広葉樹、杢目の美しさ。アテ・フシの面白さ
日本→構造材として→針葉樹、アテ・フシを嫌う風潮が根づいている。
- (例)白木(桧)の柱−伊勢神宮 白木が焼け、朽ち、やり替えることによる美意識
- 《間合》
- 《広葉樹の良さ》「葉の美」と「木(枝ぶり)の美」
- 《木の質》広葉樹−磨く。削れない。針葉樹−カンナ掛けできる。
- 《過去の家》メンテナンスが必要。「囲炉裏のスス」は拭き掃除がかかせない→時間の流れとともに艶が出る。
- 《現在の家》簡単な家。家に強さがない。クレームを逃れる家。
- 《階高をも住む人にあわせる》高さを抑える→階段が楽
- 《RCと木のぶつかるところ》強さ・バランス
- 《柱》部材を落とさない。不揃いで使う。→大工の技量にかかる
- 《木の色》黒・茶・赤・黄
- 《辺材》差物大工が材料を使いまわす。これからは捨てるのに金のかかる時代。
- 《板材−内装に使う》模様をあわせ込む。自然の中で生まれてきたまま使う。並べ方が重要→大工のバランス感覚を問いたださなければ不可能。
- 手を使わない・考えない・みな一様である
- 家は変わったが人間は何百年前からはそんなに変わってないんだろう。
- 豊かな空間とは広さではなくバランス。強さ。かわいらしさ。
- 《木は狂う》冷房・暖房によって木が怒る。
- 塗装して寿命を延ばす。朽ちていく美しさも重要。
- 使い回しのできる空間。動き回る家←→個室。その場所から出ない。
- 現在は個性を殺し同じ人間をつくる家。
- 《杢目の楽しさ》遊び心。
- 《建築がズレル》建築が動き出す。
- 振返ったときの美しさ。
- 《光と材料のズレ》フゾロイ。
- 《壁の重なる仕掛》空間が動き出す。