オープンバスルーム

 CMでもよく目にするトステムのオープンバスルーム計画。

 確かに、浴室に大きな窓を設けると気持ちがいい。眺めのよい方向に大きな窓を設けた浴室はもちろん、坪庭に面するだけでも露天風呂気分を醸しだすこともできる。それは日常の疲れを癒すほんの少しの非日常空間だ。
 これまでも何度か浴室に大きな窓を開ける提案をしてきた。いくつかは実現しているが、どちらかというと拒否されることの方が多い。そんな中、CMで「浴室に大きな窓を設けることが素晴しい」というようなことを世間に広めてくれたことはとても嬉しい。先入観というものが大きく変わった人もいるだろう。
 だが、このユニットバスは他のユニットバスと趣が少し違う。従来のユニットバスは単なる設備だという認識でよかった。材質や形状、付属設備に多少の違いはあっても、単に1〜2坪のスペースを確保すれば好みに(予算に?)合わせて入替えればよかった。しかし、この「オープンバスルーム」を実現させるには建物の配置や形状、また外構の在り方まで総合的に考慮する必要がある。浴室に大きな窓を設けて快適にすることはそうたやすくはない。
 きっと、このユニットバスには住む人の意識や建物のカタチを変える性格がある。