消えた同世代

 日経アーキテクチュア2005年3月7日号の特集は
『U35−頭角をあらわしたポスト・バブル世代』
 U35の特集は2年程前、建築文化2003年8月号でも取上げられていた。
 以前は40歳頃の建築家でも若いと言われていたが、ここにきて35歳という年齢までボーダーが引下げられたのだろうか。35歳以上40歳未満の者としては自分たちの時代がなくなったようで少々とまどう。


 日経アーキテクチュアにはU35世代の特徴として

枠にとらわれない伸びやかさ

  1. バブル崩壊後に社会に出た
  2. 海外経験者が多い
  3. つくる意味を問う

としている。
・バブル経済の負い目がない
・就職難に直面したため海外に職を求めた人が多い。
・ビッグチャンスはそう簡単に巡ってこないという意識が強い

などとバブルの申し子のように述べているが、over35だってバブル後もしっかり働いている。バブル経済だけにその答えを求めるのは無理があるのではないか。
 ’70年以前生まれと以後生まれには時代に大きな違いがあるように感じる。ちょうど万博の前後だ。(今回日経アーキテクチュアに掲載されているU35とは’69年以降生まれの人達。乾久美子氏を入れたかったから急いで特集を組んだように思える)
 例えば日本の人口増加率は’70〜71年を境に減少を続けるようになっている。(総務省統計データ)
 これはライフスタイルの変化が生じているということではないだろうか。いや、人口増加率やライフスタイルという観点からは’70年以前生まれでも影響を受けている。
 しかし芸能界でも’70年生まれ前後で変化があるように思える。代表としてジャニーズ事務所歴代アイドルを列挙してみた。

 ’70年以前生まれと以後生まれのグループでは特徴が異なっているように思える。その違いは何だろうか。なかなか巧い言葉が見つからないが、「流れを受継いだ者」と「転換できた者」という感じだ。ジャニーズ以外を見渡してもこの年代の狭間で大きな変化が起っている気がする。(そう言えば今話題のライブドア堀江貴文社長は’72年生まれ、楽天の三木谷浩史社長は’65年生まれ)
 さて、その変化の狭間の’67〜69年生まれ、上のリストを見ていると「流れを受継ぐ間もなく」また「変化に対応できず」潰れているように思えるのは気のせいだろうか。建築家のなかでも空白の世代になってるし。