日本武尊の時代から

 西澤文隆氏の言葉

水を防ぐには、水が浸入しないように塞ぐのが一番よいという信念があって、塞ぐことばかり考えがちである。塞ぐことは自然の力に抗する方法であって、自然に順応するうまい方法ではない。最もうまい方法は人力で自然力に抗しようとせず、自然の力をそのおもむくままに走らせ、自分自身安全な状態にあるのが一番賢明のようである。火に抗して火を消そうとせず、風下の草を薙ぎ、自然の力をおもむくままに走らせて火難を免れた、日本武尊のような処置法が一番賢明なのである。

from 『西沢文隆のディテール 自然と共棲する術』 「ディテールについて」
 水に限らず、快適を求めて自然に抗した考え方は次から次へと問題点が発生していく。目の前にある問題は解決しても副作用の方が深刻な問題になっていることだって少なくない。
 これらを解決させる糸口として「自然の力をおもむくままに走らせる」というのは、かなり有効な方法。
 日本武尊の時代から伝わるこの国(風土)に適した技なのかもしれない。