家相・風水考

 先日の記事『清家清氏死去』にいただいたTB、『ベートーヴェン作曲、
 交響曲第3番「英雄」 建築家 清家清さんの霊に捧ぐ』より。(yurikamomeの徒然日記

たぶん建築に「家相」や風水的な事を取り入れた人では、近代建築では初めてだったのではないでしょうか?

 このへんは少し違うと私は思います。(別に反論したいわけでなく、以前から書きたいと思っていた「家相」「風水」についてきっかけの記事という意味で引用させていただきます。TB Thanks!>yurikamome122 さん)
 まず近代・現代建築で家相が無視されていたのかというと、決してそういうことはないと思います。(と、言いながら何か資料を探すのですが、なかなか見つかりません。捜索中)
 清家清著『家相の科学』が出版されたのが1969年。月面に人類が降立つ時代に「家相」という迷信のようなわけのわからないものは無視せよという動きもあるものの、無視できないのが人の情。そういう時代に、清家氏は昔からの言伝えを取上げ、迷信であるもの、科学的に根拠があるものに分類しまとめられたのです。
 次に清家氏が家相を取入れて建物を作ったかというと決してそうではないようです。作品集を眺めていても鬼門に台所がある住宅もみられます。もちろん家相には様々な流派があり、鬼門に台所OKのところもあるようですが。
 清家氏は次のように述べておられます。

たとえ、鬼門を外れた便所でも、寒夜の便所は高血圧の老人にとっては鬼門以上の効果がある。

 あんまり家相見の言うことを信用しないで、ちがいのわかる建築家清家清の言うことを信用したほうがいいということです(笑い)。

from 『現代家相学−住まいの知識と暮らしの知恵』 「家相は迷信か」
 科学的根拠のある家相については取入れているが、それは家相でいわれているからではなく建築家として当然のこと。根拠のない家相を信じるよりも建築家を信じなさいというのが彼のスタンスのようです。