アイデアのパターンはいくつか引出しにしまっている。どのパターンを使うかは依頼主とのフィーリングで決まることがよくある。
最初の面談で、オーナーの要望をひと通りヒアリングし「次回までに、何でもいいから店をイメージできるものを持ってきてください」とお願いして席を立った。そして次の面談時にオーナーが持参したのが、英国の片田舎で砂利道にぽつんとたつ古びた家の写真だった。
from 『meuble』2005年秋号「明日を担う職人」
岩崎亮二(イワサキデザインルーム代表)
デザインの部分部分を具体的に指定されると全体がまとめにくい。しかし「何でもいい」と言われても何でもいいわけにはいかない。方向性の核となるイメージが依頼主との間で共有できれば最高!決して具体的でなくてもいい。具体的にするのがこちらの仕事なのだから。
引用部分はこれだけでは何のことか良く分からないだろう。だけど私にはこの出会ったときの気持がとてもよく分かる。だからどうしてもこのシーンを切抜いておきたかった。