三木市のなまこ壁

先日久しぶりに出身地、三木市の旧街道を歩く機会があった。歴史街道ののぼりがあちこちにみられ、古い街並みを残す運動が根づいてきているように思えた。
古い蔵を模した店舗も見受けられる。

この公民館もなまこ壁(?)にしている。大きな建物。

こちらは近畿の駅100選(大阪日日新聞)にも選ばれた神戸電鉄恵比須駅。「湯の山街道」沿いの旧町屋をモチーフにしたという和風建築の建物ということだ。大きなむくりをつけた屋根になまこ壁。

塀までなまこ壁にしているが、何か気になる。


 三木の街並みって“なまこ壁”の特徴があったっけ?
 正直なところ、三木でなまこ壁を見た記憶は全然ない。そう思っていたところ『あさみ新聞』の記事の投書欄で「(兵庫県内の)なまこ壁は蔵が多いので外から見ることはできない」ということをきいた。
三木で全くなまこ壁が見られないわけではなく、湯の山街道を歩いていると1件、街道沿いに残るなまこ壁の建物を見ることができた。やはり蔵だ。所々壁が落ちている。

また登録文化財、玉置家にある蔵にもなまこ壁を見ることができる。これも道端から眺めることはできない。
そのほか、散策MAPを眺めていると数件なまこ壁の建物があるようだ。しかしほとんどが蔵のようで、なまこ壁が街並みを特徴づけているようには思えない。

 どうして今“なまこ壁”が普及しているのだろうか?
 なまこ壁の特性である耐久性が評価されているのなら納得できるのだが、どうも意匠的に採用している気がする。
 「三木にある古い建物の意匠を取入れる。」街並みへの配慮としては間違っていない筈なのだが、
古い建物=なまこ壁の建物
街並みへの配慮=古い建物の意匠 →街並みへの配慮=なまこ壁の意匠
というようになっていないだろうか?
 新しい街並みの特徴をつくる運動があるのなら、それは面白いかもしれない。しかし「なまこ壁を用いれば街並みへの配慮はできた」ということでは決してない。
 なまこ壁が嫌いなわけではないのだが、特に××××の模様は強烈なイメージで目に飛び込んでくるので取扱に十分注意してもらいたいと思うのだ。