コミュニケーション・ツール

「あさみ新聞」の『コミュニケーションのススメ』にTB。
 TB先の引用文

コミュニケーションは「それがまだ成立していない」と宣言することで生成し、「それはもう成立した」と宣言したときに消滅するのである。

from「内田樹の研究室: 緩和医療学会とi-podと『土蜘蛛』
 コミュニケーションは相手の(言ってる)ことが分からない、もっと聴きたいから成立するというような話題ですが、相手のことが分かってもコミュニケーションが消滅することはありません。分かった時にコミュニケーションをとる手段、
それが「ボケ」です。
 「ボケる」ということと「ギャグを言う」ことは全く異ります。「ギャグを言う」のは単に言葉を発することで成立します。しかし「ボケる」ということは、相手のことを理解した上でそれに関連する応答を必要とします。そして笑いが起こればコミュニケーション→相手との距離を近づけるということに成功するわけです。
 「ボケ」の種類もいろいろありますが、どれもそこには「あなたのことを分かってますよ」というメッセージも含まれているものと思われます。唯一「天然」と呼ばれるものが外れそうですが、「天然でない」という事がそういう作為のあるものだとういう証明になります。
 もちろん、これらはネタではなく日常的に交わされている会話の「ボケ」の話です。(認知症も関係ありません。念のため。)
 さて「ボケる」→笑う で、コミュニケーションが消滅してしまうのを防ぐため、
ツッコミ」という技が生まれます。
 先ほど「ボケ」の種類もいろいろあると言いましたが、「ツッコミ」を必要とするボケもある訳です。「コミュニケーションをとりたい」とボケてきたならツッコミを入れるのが礼儀というものではないでしょうか。
 ツッコミをいれるときに難しいのは、それが「ボケ」なのか「天然」≒本当に間違えたのか見分けがつきにくい場合があることです。しかし、逆に言えば相手が本当に間違えていた場合でもツッコミを入れることによって、「ボケ」にしてしまうことが出来るのです。「ボケ」というのは「理解している」上で成立するので、ツッコミは間違いを帳消にして笑いをとるコミュニケーションの手段だと言えます。
 くしゃみをした人に向って、英語圏では”Bless you!”とか、スペイン語圏では”Salud!”(サルー!)とか言ったりしますが、(日本では自分で「コンチクショー!」と言う?)これは悪魔に魂を抜かれない為らしいです。理由はともかく、独りにさせないという点ではツッコミはそれと同じようなコミュニケーションの手段だと思うのです。
 私はどちらかというとツッコミ系です。いろんな人のblogなどで独りにさせないためにも(?)、ツッコミ的なコメントを残していますが、どうも関西系と関東系で受止められ方が違うなと感じるのですが、気のせいでしょうか。