建物の維持は大変なんです

先日のなまこ壁、その後です。建物を維持していくにはいろいろ大変です。
・・・・なんか、ちょっと残念。


そういや、ヴォーリズ設計の室谷邸も解体されているというニュースが。
「老朽化消える昭和の名建築 旧室谷邸解体始まる」
(from 神戸新聞 2007年1月20日)
記事で気になったのは

 不動産会社は二〇〇五年夏、室谷氏の長女から邸宅を購入。長女側は「建物の現状保存」を売却条件としたが、同社は「倒壊の危険性がある」と解体計画を提出した。
 文化財登録制度は、建物の現状変更に許可が必要な指定制度とは違い、解体や増改築などは所有者の届け出に基づく。また神戸市の試算では修理に約七億円、移築に約十八億円かかるとみられ、行政による保存や買い取りも困難だった。

というところ。
 土地・建物取得費がいくらなのか明らかにされていないが、あと7億円あれば修理もできるということ。不動産会社としては更地にして分譲したほうが早く買手がついて利益が得られると判断したのでしょう。
 けれども関西でも億を越えるマンションが売れていることを思うと、単に高額だから売れないというワケではないように思います。ヨーロッパの古城でも日本人が買っているという噂を聞きますし。
ワケの思いつきメモ….φ(..)
・こういう特別な価値のある建物を取扱う市場が確立されていないこと
・単に築年数や土地評価額で判断
・目利きの不足・・・・学者ではなく商売人としての目利き
・ステイタスの確立不足・・・・購買層の拡大が必要
・教育の未介入・・・・フランス料理のシェフが本当の味を知ってもらうため、子供に出張授業を行っているという話しも聞きますが、本当の価値を教える教育というものをもっと進めていかなければならないのかもしれません。