建築士が足りない?

『公共施設、進まぬ耐震化 専門技能持つ建築士が足りない』 from 2008年12月22日 NIKKEI NET

公共施設の耐震診断、設計を手掛ける専門技能を持つ建築士が足りない。震度6強の地震に耐えられない小中学校をなくそうと、国が今年度から耐震工事費への国庫補助を拡充し、それを受けた自治体が一斉に発注したからだ。

確かに学校の耐震化工事は早急に必要ですが、一度に発注するからこういうことになる。

自治体も国から補助金が出るうちに事業を遂行しておきたいという気持ちがあるから、他の公共事業より優先して耐震化関連の事業を発注するし、その影響でほかの公共事業は激減してるし。

事業総額では変わらないかもしれないけれど、特定分野の事業だけに集中するからおかしなことになっている。

入札に参加しようにもたいてい「○○年以内に同様の耐震化工事の設計を元請として完了した実績を有すること」という条件が入るので、特定のメンバーしか入札に参加できない状態だ。

専門技能を持つ建築士が足りない。」なんていうから、専門の建築士を増やそうという動きがあるみたいだけど、増やしたところで受注できる(実績を有する)設計事務所は増えることはないのだから、このままでは同じことだと思う。

・・・・下請けに発注・・・・といっても いろいろ規定が厳しくなっていますし。

・・・・所員を増やす・・・・といっても この状況がいつまで続くかわかりませんし。

昨日の記事にも関係するけれど、急にこなしきれない量の仕事がきてもイイことはないんだから、仕事がつっかえる前に、どうすれば流れていくか道すじを考えるべきだと思う。

最近まつりごとの長の一声で現場が混乱しているケースが増えすぎている気がする。

「建築士が足りない」のではなく、一声の先にどうなるか「想像力が足りない」のではないだろうか。