東京中央郵便局建替え工事に関して鳩山邦夫総務相の発言が話題となってます。
「重要文化財級の価値があるのに開発優先主義で文化や文明を壊していいのか。国辱ものだ」
(from 2009.3.2 MSN産経ニュース)
とても意味の大きい発言であると思います。
この東京中央郵便局に限らず、とりあえず開発しておけばお金は動くから経済効果は大きいです。
今までもそうでしたし、現在の社会状況を考えれば「経済よりも文化財だ」と言える政治家はなかなかいないです。
また昭和の時代 (東京中央郵便局の竣工は昭和6年)の建築物を「文化財だ」と言い切った大臣発言が広まったことに意義を感じます。世間では「文化財」とは江戸時代・・・・頑張っても明治時代以前の建物というイメージですから。
東京中央郵便局に関しては「今さら・・・・」という気がしますが、大阪中央郵便局も同じく吉田鉄郎氏による設計。こちらの建替え計画にも影響は出るでしょう。
また大阪府庁のWTC移転問題にも影響するかもしれません。
「開発優先」・・・・守るべき文化とは何かということと、経済行為とのバランスをよく考えるべきだと思います。
バランスを考えた上での開発はやむを得ないと思いますが、そこまで考えられているのでしょうか。
東京のことはよくわかりませんが、大阪中央郵便局の場合、駅前の一等地にあるんだから容積率いっぱいに建物たてて、家賃収入で大儲け!という考えですよね。郵便局も民営化されたんだから儲けようと。
ですけど、大阪ってそんなに需要ありましたっけ?
需要がないのに新しいビルをつくるということは、新しいビルにはテナントが入るかもしれませんが、その分既存のビルからテナントが出て行くということにつながるかもしれません。
結局、大阪の街に空き屋を増やすということです。文化財を壊して。
(それを防ぐために容積率の売買ができるようになったんじゃなかったっけ?)
文化財を壊して、空き屋が増えて・・・・そんな街に新たな客を呼込める魅力をどうつくるのか。
大阪府庁移転計画も、現在の府庁のあるところは立地条件がいいから高く売れるという考えが入っているようです。
買う側としては立地条件でしか見ず、上屋の利用価値を認めずに算用するでしょう。前例に基づくなら取り壊して、できるだけ多くの商品(部屋)を確保しますね。前例がないと計画がたてれませんから。
本当はもう前例が活かされない時代になってきてるんですけれど。
人口は減少するし。通信、輸送網は整備されてきているし。
需要が少なくなってきたときに、どこにでもある建物たてるより、過去の価値ある建物を利用する方法を選ぶ方が差別化できるというものだと思いますが・・・・ビジネスモデルとして主流にならないもんですかねぇ。