中沢新一 著 『アースダイバー』
東京の地図に1万6千年前の地図を重ねてみると縄文時代に陸と海との境だったところ(岬、半島)は、今も神社や寺、墓地など特別な場所になっているという話。
ちょっとこじつけっぽい内容も感じられるが、洪積世(今は更新世というらしい)の地図を現在の地図に照らし合わすという手法が興味深い。
現在は一見しただけでは変わらない街も、縄文時代に海であったところは「湿った空気」を含み、乾いた土地との文化の違いを生み出した。
「乾いた土地」←→「湿った土地」
縄文の頃からの重要な場所が残る「乾いた土地」は変化することが難しかったが、何もなかった(海であった)「湿った土地」では次々と新しいものを生み出すことができた。
「銀座」「浅草」「秋葉原」
大地から湧き出すエネルギーを鎮める相撲。「両国」
四股、「山」「川」「海」などのしこ名に現れている。・・・・等々興味あった項目
誰に言われたわけでもなく、無意識のうちに土地からの法則に左右されてきた都市であるが、それを無視した(感じなかった)現在の開発。
しかし、つくる方は無視しても、そこで生活を営む人々はその支配を受ける。
「景観」というのは見た目に美しいかどうかではなく、その土地に根が生えているかどうかではないかという気がしてきた。