町並みやら景観の話をするとどうしても看板の話が挙がってくる。
看板はただ目立てばいいという感覚で設置されているのか。看板のセオリーについて調べよかと思って手に取った本。
高橋芳文 著『 看板ひとつで売上が3倍になる魔法の誘客術 』
・・・・普通のセオリーではなかった。
なんか町並みにも好いことが書いてある。ちょっと長いけど引用。
第2章 2 成熟経済時代の繁盛する立地の法則 より
必勝のキーワードは次のとおりです。
「地域同化による専門店化」
「地域他店との差別化による専門店化」
街の雰囲気に合わせた演出をする
地域同化による専門店化とは、
たとえるなら、お店をその地域の象徴のような観光地としてしまう戦略です。
<中略>
商店街の雰囲気を分析し、昔ながらの老舗が多い商店街だと結論づけた場合は、自分のお店がいかにも老舗風のお店であるかのような演出をするのです。閑静な住宅街なら、主婦が趣味も兼ねて運営する手作り感覚のお店を演出するのです。
この本は町並みとか、景観を主眼とした本ではない。如何にして集客を上げることができるか、というビジネス書である。
その点ではとても参考になる内容が多い。
その中でも終始書かれているのは「もう一人勝ちの時代は終わった。これからは地域共存していく時代だ」ということ。
2004年発行当時はまだ小泉政権の真っただ中。勝ち組を伸ばそうという時代だったが、5年経ち政権交代した現在、共存していく時代という傾向は益々強くなってきた。
もう自分一人目立てば良いという時代ではない。
街全体で勝ち上がっていく必要がある。(もちろんその街の特徴はある。賑わいの種類も様々)
そのことを共通の認識として持たなければ己の勝ちはない。
誰かがリーダーとならなければならないが、行政は無理。経営感覚がないから。また権利とか平等という名の下に特化させることができず、全体を沈めるだけである。
そういえば、今週の「おはよう朝日です」でやってた凄人「福島の路地裏の仕掛け人」は、エリア内に同業者は開業させない、経験未熟な者は開業させないなど街全体をプロデュースされているのがスゴイと思った。
地域共存ということをキーワードにすれば看板もおのずからおかしなモノにはならない。(目立つから悪いというわけではない)
そういう粋な精神が主にならないと大都会しか発展は望めないよ。きっと。
たぶん、周りの雰囲気がそうなっている今が契機。