昨日、コメント欄にてKOKKOMON さんからいただいた次の質問
その20年前の家が3階建てなのですが
1階のキッチン+風呂を2階へ持っていったりするのはokなのでしょうか?
リビング、水廻りを2階に設けるプランは最近多いです。
昼間過ごす時間の長いリビングを日当たりの良い2階に、夜間に使用する寝室を1階に設けることは一つの解です。
リビングが2階になるとキッチンも2階についていき、水廻りとか家族の導線とかという点で浴室も2階に・・・・となってきます。
2階に水廻り等設備を設けることは技術的に不可能なことではありません。ただし、注意することがいろいろあります。
構造編:
キッチンぐらいでしたら何も問題ないでしょう。
浴室は浴槽に水の荷重がかなりかかりますので気にする必要があります。
下階が壁(柱)が全くない広い空間であったなら、補強していくなど考えていかなければなりません。
3階にお風呂を持ってくることは構造的にやめた方がいい気がいたします。
設備編:
設備としては水をどこから持ってきてどこに流すかというルートを確保することが重要です。
最近は3階でも給水できるようになってきましたので技術的には問題ではないでしょう。
下の階のどこに上下をつなぐ配管を設置できるか計画することが重要です。
また、排水は重力の力を使って流れていきますので適切な勾配がとれるかどうか検討が必要。
それから、キッチンも浴室も排気をどのようにするか気をつけましょう。
天井裏にダクトで通せばいいと思っていたら、意外と天井裏の空間がなかったということがあります。
計画編:
浴室はどのような計画をされているのでしょうか。
いろいろこだわりがあるようですので、ユニットバスでは物足りなさを感じてられるのでは?
でも、階上の浴室でユニットバスでない場合・・・・「湿式」とか「在来工法」とか言ったりしますが
防水をどのようにするか工夫が必要です。
もちろん1階に浴室が有る場合も同じなのですが、階下に部屋が有る分注意が必要になってくるのです。
そして、段差の問題。
浴室は防水の問題やら、浴槽が床面よりも低くなることなどから下地になる床面を下げています。
これはユニットバスでも同じです。
そうすることによって脱衣場との段差を少なくしているのですが、リフォームでそのようにするには床面を作り直す必要が出てきます。
1階の場合は地面ですので大きな問題はないですが、階上の場合はそれが可能かどうか。
もし作り直せない場合、今の2階床面の上に浴室をつくることになりますので、
30cm~40cm上がらなければならなくなります。
またそれを認めたとして、天井高さがどれだけ確保できるかも気になります。
法規編:
住宅ですが、木造3階建ということで場合によっては防火区画やら防火構造等の規制がかかっている可能性があります。
一度確かめておく必要があります。
・・・・ざっと思いついたのはこんな感じです。
お金がかかる?・・・・と言われれば面倒が増えるからお金がかかるのですが、1階で間取りを変更しようとしてもそれなりにお金がかかるわけですので、希望を実現させるための優先順位を考えながら必要であれば2階に計画するということになるかと思います。
(2階でなくても希望が満たされるのであれば1階の方が楽ではあります)
どうぞ、ご参考にしてください。