21世紀のデザイン

5月18日フェリシモ神戸学校第193回 服部滋樹さん(graf代表) 受講メモ

grafの作品についてというより「21世紀のデザイン」についてというような話。

1920年代に興った民芸運動の話に始まった。広まる西洋文化に対して手づくりを中心とした社会に対するアンチテーゼ。

バブル崩壊によりこれまでの メーカー→販売店→ユーザーというタテ型からヨコ型へ新しい仕組づくり。grafは(少年探偵団のような)多種多様のカテゴリー集団で、それぞれのスキルが活きる活動づくりをしていると。またクライアント自体もコミュニティ。(少年探偵団の一員)。

「スキマをつくる」…完成させることをデザインする。
100%完成させると(100%は不可能に近いが)完成した時点から劣化してしまう。使えば使う程輝きを生み出すデザイン。経験、色の蓄積など永く使えるために80%で完成し20%クライアントに埋めてもらう。その意味を対話することによってデザイナーが想像しなかった使い方で120%使ってくれる。100%で完成させることがナンセンスな時代。

デザインで解決しなければならないことの変化
これまではモノをデザインすればよかった。
香港の例 グラフィックデザイナーが地域を調査。その地域に何が必要か。
働き口かない。→洗剤をつくって、ボトルをデザイン
生産者を消費者に組入れる仕組。サイクル。
21世紀のデザインはモノの生まれる前からをデザインする。

21世紀のコミュニティ。
これまでは同世代を中心としたコミュニティ。
21世紀はインターネットで可視化されたたくさんのコミュニティに依存する。
コミュニティにどういう人たちがいるか調査。(コミュニティの外から見る。中の人は気づきにくい)つながっていない人を接続するために存在する。新しい目線を持った人がそこにいることが重要。
これまでは閉鎖されたコミュニティがそれぞれ存在していたが、21世紀はコミュニティがつながり重なる時代。

デザインの役割の変化
[戦後]不便を解決するデザイン→
[~バブル]仕事、生活を豊かにするデザイン→
[バブル崩壊~]細かい情報で伝わるデザイン。シンプルなデザイン。多くの情報で伝えるデザインはムダなデザイン。
21世紀は正しいモノを選択したい。選択の指針のためのデザインが求められている。